「給料から引かれている税金って何?」🤔
「確定申告って自分に関係ある?」💭
「もっと税金を安くできないの?」📊
こんにちは、元消費者金融審査担当のishitakuです。
10年間の審査業務で、多くの方の源泉徴収票を見てきました。
そこで気づいたのは、「所得税の仕組みを理解していない人があまりにも多い」ということ。
年収が同じでも、税金の知識があるかないかで、手取り額に年間数万円〜数十万円の差が出ることもあります。
今回は、FP3級の勉強でも必須となる「所得税」について、基礎から応用まで徹底解説します。
📖 所得税とは?まず知っておくべき基本
所得税の定義と役割
所得税をかんたんに言うと:
「個人が1年間で稼いだお金に対してかかる、国に納める税金」です。
もっと具体的に説明すると:
- 💰 あなたが1月1日〜12月31日に稼いだお金が対象
- 🏛️ 市町村ではなく、国に納める税金(国税)
- 👤 会社ではなく、個人個人にかかる税金
- 📈 稼ぎが多い人ほど税率が高くなる仕組み(累進課税)
誰が所得税を払うの?働き方別に解説
💼 会社員(法人企業に勤めている人)
- ✅ 所得税を払います
- 毎月の給料から天引き(源泉徴収)
- 年末調整で精算
- 例:トヨタ、セブンイレブンなどの社員
🏪 個人事業主・フリーランス
- ✅ 所得税を払います
- 自分で確定申告が必要
- 売上から経費を引いた利益に課税
- 例:個人商店、フリーライター、YouTuber
👔 法人の代表取締役(社長)
- ✅ 所得税を払います
- 会社から受け取る「役員報酬」は給与所得
- 会社員と同じく源泉徴収される
- 会社の利益には「法人税」が別途かかる
🏢 個人事業の従業員
- ✅ 所得税を払います
- 法人企業の従業員と同じ扱い
- 給料から源泉徴収
- 例:個人経営の飲食店スタッフ
👶 その他の人たち
- 学生バイト:年収103万円超なら所得税あり
- 年金受給者:一定額以上なら所得税あり
- 専業主婦:収入がなければ所得税なし
💡 ここがポイント!所得税と法人税の違い
多くの人が混乱するのが「所得税」と「法人税」の違いです。
📊 かんたん比較表
項目 | 所得税 | 法人税 |
---|---|---|
誰が払う? | 個人 | 会社(法人) |
何に対して? | 個人の稼ぎ | 会社の利益 |
社長の給料は? | 所得税 | - |
会社の儲けは? | - | 法人税 |
具体例:田中社長の税金
- 田中さん個人の役員報酬100万円/月 → 所得税
- 田中さんの会社の利益1,000万円/年 → 法人税
つまり、どんな働き方でも、個人として稼いだお金には所得税がかかると覚えておけばOKです!
なぜ所得税を払うのか?
所得税は「応能負担の原則」に基づいています。
つまり、「稼いだ人が、その能力に応じて社会を支える」という考え方です。
所得税の使い道:
- 🏥 社会保障(医療・年金・介護)
- 🏫 教育
- 🚓 警察・消防
- 🛣️ インフラ整備
- 🛡️ 国防
📊 10種類の所得|あなたの収入はどれに該当?
所得税法では、所得を10種類に分類しています。それぞれ計算方法や税率が異なります。
1. 💼 給与所得(最も身近な所得)
該当するもの:
- 会社員の給料・賞与
- パート・アルバイト代
- 役員報酬
計算方法:
給与所得 = 収入金額 - 給与所得控除額
給与所得控除額(2025年):
給与収入 | 控除額 |
---|---|
162.5万円以下 | 55万円 |
162.5万円超 180万円以下 | 収入×40%-10万円 |
180万円超 360万円以下 | 収入×30%+8万円 |
360万円超 660万円以下 | 収入×20%+44万円 |
660万円超 850万円以下 | 収入×10%+110万円 |
850万円超 | 195万円(上限) |
2. 🏢 事業所得
該当するもの:
- 個人事業主の売上
- フリーランスの報酬
- 農業・漁業の収入
計算方法:
事業所得 = 総収入金額 - 必要経費
3. 🏠 不動産所得
該当するもの:
- アパート・マンションの家賃収入
- 駐車場の賃料
- 地代
計算方法:
不動産所得 = 総収入金額 - 必要経費
4. 💴 利子所得
該当するもの:
- 預金の利息
- 国債・社債の利子
特徴:
- 源泉分離課税(20.315%)
- 確定申告不要
5. 📈 配当所得
該当するもの:
- 株式の配当金
- 投資信託の分配金
課税方法を選択可能:
- 総合課税
- 申告分離課税
- 申告不要
6. 🏃 退職所得
該当するもの:
- 退職金
- 退職一時金
計算方法:
退職所得 = (収入金額 - 退職所得控除額) × 1/2
7. 🌲 山林所得
該当するもの:
- 山林の伐採・譲渡による所得
8. 🏘️ 譲渡所得
該当するもの:
- 土地・建物の売却益
- 株式の売却益
- ゴルフ会員権の売却益
9. 🎰 一時所得
該当するもの:
- 懸賞の賞金
- 生命保険の満期返戻金
- 競馬の払戻金
計算方法:
一時所得 = 総収入金額 - 支出金額 - 特別控除(50万円) ※課税対象は、上記の1/2
10. 🔄 雑所得
該当するもの:
- 年金
- 原稿料・講演料(本業以外)
- 仮想通貨の売却益
- 副業収入
💡 所得控除|税金を安くする15の方法
所得控除とは、所得から差し引くことができる金額です。
控除が多いほど、税金は安くなります。
基本的な所得控除
1. 📋 基礎控除(全員が使える)
- 控除額:48万円(合計所得2,400万円以下)
- 2,400万円超から段階的に減少
2. 👫 配偶者控除
- 控除額:最大38万円
- 配偶者の所得要件あり
3. 👶 扶養控除
区分 | 控除額 |
---|---|
一般扶養親族(16歳以上) | 38万円 |
特定扶養親族(19〜22歳) | 63万円 |
老人扶養親族(70歳以上) | 48万円〜58万円 |
社会保険料関係
4. 🏥 社会保険料控除
- 控除額:支払った全額
- 健康保険料、厚生年金保険料など
5. 🏠 小規模企業共済等掛金控除
- iDeCo(個人型確定拠出年金)
- 小規模企業共済
保険料控除
6. 🛡️ 生命保険料控除
- 控除額:最大12万円
- 一般生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料
7. 🏥 地震保険料控除
- 控除額:最大5万円
その他の重要な控除
8. 💊 医療費控除
控除額 = 支払った医療費 - 保険金等 - 10万円(または所得の5%)
9. 🏠 住宅ローン控除(税額控除)
- 正式名称:住宅借入金等特別控除
- 控除額:ローン残高の0.7%(最大13年間)
📈 所得税の税率|累進課税の仕組み
所得税率表(2025年)
課税所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円超 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円超 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円超 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円超 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円超 4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
計算例:年収500万円の会社員
【前提条件】 ・独身 ・給与収入:500万円 ・社会保険料:75万円 【計算過程】 1. 給与所得控除:500万円×20%+44万円 = 144万円 2. 給与所得:500万円 - 144万円 = 356万円 3. 所得控除:基礎控除48万円 + 社会保険料控除75万円 = 123万円 4. 課税所得:356万円 - 123万円 = 233万円 5. 所得税額:233万円×10% - 97,500円 = 135,500円 年間の所得税額:約13.6万円
🏢 年末調整と確定申告|どっちが必要?
年末調整とは?
年末調整は、会社が従業員の1年間の所得税を精算する手続きです。
対象者:
- 会社員
- 公務員
- パート・アルバイト(一定条件)
年末調整でできること:
- ✅ 基礎控除
- ✅ 配偶者控除
- ✅ 扶養控除
- ✅ 生命保険料控除
- ✅ 地震保険料控除
- ✅ 住宅ローン控除(2年目以降)
確定申告が必要な人
必須の人:
- 🏢 個人事業主・フリーランス
- 💰 給与収入が2,000万円超
- 🏠 不動産所得がある
- 💼 副業所得が20万円超
- 🏥 医療費控除を受ける
- 🏠 住宅ローン控除(初年度)
- 📈 株式の譲渡益がある(特定口座源泉なし)
確定申告をした方が得する人
還付を受けられる可能性:
- 💊 医療費が10万円を超えた
- 💝 ふるさと納税を6自治体以上した
- 🎓 特定支出控除の対象がある
- 📉 年の途中で退職して再就職していない
💰 源泉徴収票の見方|給与明細との違い
源泉徴収票の重要項目
- 支払金額
1年間の給与・賞与の総額(額面) - 給与所得控除後の金額
支払金額から給与所得控除を引いた額 - 所得控除の額の合計額
各種所得控除の合計 - 源泉徴収税額
1年間で徴収された所得税の総額
チェックポイント
💡 元審査担当のアドバイス:
源泉徴収票は、ローン審査でも最重要書類です。
以下を確認しましょう:
- 控除の記載漏れはないか
- 扶養人数は正しいか
- 住所・氏名に誤りはないか
🎯 節税対策|合法的に税金を減らす方法
すぐにできる節税対策
1. 📊 iDeCo(個人型確定拠出年金)
- 節税効果:掛金全額が所得控除
- 年収500万円で月2万円拠出→年間約7.2万円の節税
2. 🏥 ふるさと納税
- 実質負担:2,000円
- 寄付金控除で税金が還付・控除
3. 💊 医療費控除の活用
- 家族分もまとめて申告可能
- 交通費も対象
- セルフメディケーション税制も選択可
4. 🛡️ 生命保険の見直し
- 新制度で最大12万円控除
- 保険の種類で控除枠が異なる
会社員の節税テクニック
特定支出控除:
- 資格取得費用
- 研修費用
- 図書費
- 衣服費(スーツ代など)
※給与所得控除額の1/2を超える部分
⚠️ 注意点とよくある間違い
よくある誤解
❌ 「103万円の壁」は所得税だけの話ではない
- 住民税は100万円から
- 社会保険は106万円または130万円
❌ 「副業20万円以下は申告不要」は所得税のみ
- 住民税は申告必要
- 医療費控除を受ける場合は申告必要
❌ 「年収が上がると手取りが減る」は基本的にない
- 累進課税は超過分のみに適用
- 社会保険の壁を除けば逆転現象なし
脱税と節税の違い
節税(合法):
- ✅ 控除の活用
- ✅ 所得の分散
- ✅ 制度の適切な利用
脱税(違法):
- ❌ 収入の隠蔽
- ❌ 架空経費の計上
- ❌ 虚偽の申告
🔍 まとめ|所得税を理解して賢く生きる
所得税の知識は、すべての働く人にとって必須です。
押さえておくべきポイント:
- 📊 自分の所得の種類を把握する
- 💡 使える控除を漏れなく活用する
- 📈 税率の仕組みを理解する
- 🏢 年末調整と確定申告の違いを知る
- 💰 合法的な節税方法を実践する
💬 元審査担当からのメッセージ:
10年間の審査業務で、税金の知識不足で損をしている人を数多く見てきました。
「難しそう」と避けていると、年間数万円〜数十万円の差が生まれます。
この記事で基礎を理解したら、ぜひ自分の源泉徴収票を見直してみてください。
FP3級の勉強でも、所得税は最重要分野の一つ。
この知識は、一生あなたの財産になります。
一緒に、賢い納税者になりましょう!🎯
❓ よくある質問
Q. パートの103万円の壁って何?
A. 年収103万円以下なら所得税がかかりません。給与所得控除55万円+基礎控除48万円=103万円が非課税ラインです。
Q. 副業の収入も確定申告が必要?
A. 副業の所得が20万円を超える場合は確定申告が必要です。20万円以下でも住民税の申告は必要です。
Q. 医療費控除はいくらから使える?
A. 原則として10万円を超えた分が控除対象です。ただし、所得が200万円未満の場合は所得の5%を超えた分から使えます。
Q. 確定申告の期限はいつ?
A. 原則として翌年の2月16日から3月15日までです。還付申告の場合は1月1日から5年間可能です。
Q. 子供のバイト代も扶養に影響する?
A. はい。子供の給与収入が103万円を超えると扶養控除の対象外となります。
筆者プロフィール:
ishitaku0909
元消費者金融審査担当(10年)
現在:金融ライター/FP3級保有
「実務経験×資格知識」で本当に役立つ金融情報を発信中
コメント